坂本花織、優勝しても不満顔。失速の原因となった雑念の正体とは (5ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田中宣明●撮影 photo by Tanaka Nobuaki

 西日本選手権後、坂本は表彰台の一番高い所に立って、ピースサインで写真に収まっていた。生来的な明るさで、周りが華やぐ。それは彼女の真骨頂だろう。

「前の試合の自分に勝つ」

 それは今シーズンの目標だと言うが、もし彼女が自分を信じ切って変身を遂げることができたら、時代の旗手になれるだろう。そのジャンプは高く、スピンも豪快で、ステップは力強い。事実、フリーの前半に見せた演技は非凡だった。

「(次に向けては)自分らしい滑りをして、ショートもフリーも自己ベストの更新をしたいです」

 坂本は言う。次の舞台は、11月のNHK杯、12月の全日本選手権だ。

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