2020.11.02

坂本花織、優勝しても不満顔。失速の原因となった雑念の正体とは

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田中宣明●撮影 photo by Tanaka Nobuaki

西日本選手権フリー演技の坂本花織「6分間練習の時から(ジャンプが)ハマっていなかったんですけど、前半はいつもどおりにスピードに乗れて。でも、ステップ、スピンが終わった途端に、"雑念"が湧いてきたんです」

 試合後の会見、坂本花織(シスメックス、20歳)はその心中を明かしている。

「いつもなら考えなくていいようなことを考えてしまった。スピードを落として確実に跳べるように、すっ飛ばさないようにって。いつもは、スピードに乗って飛んでいこう、という感じなのに、今日に限って......あかんな」

 坂本は、言葉に悔しさをにじませた。

 10月末の西日本選手権で、彼女は優勝を飾っている。しかし、フリースケーティングは後半に失速し、フリップも、ループも失敗。129.83点と振るわずに2位だった。復帰3戦目の三原舞依の猛追を受けたが、ショートプログラム(SP)の貯金がものをいって(70.40点で首位)、どうにか逃げ切った形だ。

「この演技は情けない」

 優勝が決まったキス・アンド・クライでも、坂本は暗い表情をしていた。