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今季の宇野昌磨は「表現」にこだわる。
「早く皆さんにお見せしたい」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「SPのジャンプ構成は昨季と同じで、4回転フリップ+3回転トーループ、4回転トーループ、3回転アクセルの予定です。今回のプログラムが激しいからといって、その分、点数が上がるとは考えていません。今季の僕は、点数にならない部分でも『そこはやりたい』と自分で思ったらやります。正直、試合ですし、競技ですから、点数を求めないといけないですけども、僕は点数よりも、自分のまだやってこなかったことや、自分のスケートを見つけたいと思っているので、こういうプログラムにしました」

 一方、フリーは新たな振付師であるデヴィット・ウィルソン氏が手がけた『ダンシング・オン・マイ・オウン』となったが、これも宇野にとっては新境地となるかもしれない。

「フリーを作ったのは2週間前で、まだ作りたてです。新しいフリーはすごく滑るプログラムで、スピード感があるんです。流れを途切らせないまま、速いスピードで流れを作っていく感じの演技、というのが僕のイメージです。本当は『フレンズオンアイス』でやりたい気持ちはあったんですけど、アイスショーだとリンクが狭い分、どうしても急カーブになってしまうので、やらないことになりました。

 ボーカルも入っていて、ショーナンバーに近いフリープログラムではあるんですけども、ジャンプを入れるには結構しんどいと思うくらい、ぎりぎりまでステップやトランジション(つなぎの滑り)を入れているので、そういったところをシーズン後半になっても抜かずに、最後までプログラムとして作っていけたらいいなと思っています」

 2015-16シーズンにシニア転向後、4年目のシーズンだった昨季は、天国と地獄を味わった。四大陸選手権では、国際スケート連盟主催の主要国際大会で初めてのタイトルを獲得して、シニアの個人戦としては23試合連続表彰台に立つ偉業を成し遂げた。だが、3シーズンにわたり表彰台の常連で、優勝を狙っていた世界選手権では、SPで6位と出遅れて総合4位となり、不甲斐ない結果にがっくりと肩を落とした。

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