髙橋大輔、現役復帰2年目の野望。導かれる次の境地へ蘇り続ける
8月29日、横浜。翌日に開幕の「フレンズ オン アイス2019」の公開リハーサル後、リンクに特設された席で、会見が行なわれていた。
「あははっ」
髙橋大輔(33歳)は席に着くと、照れたような笑みを何度もこぼしている。
新シーズンのショートで使う新プログラムをお披露目したが、一本目のジャンプは転倒。二本目を跳んだ後には乳酸がたまったのか、膝に手をついて、拳で腿を叩いた。
アイスショーで今季SPを披露した髙橋大輔「気合いが入りすぎて、逆にグダグダになってしまいましたね」
髙橋はあけすけに言った。
「スタートから最後まで動きっぱなしのプログラムで。何年かぶりに、こんな激しいテンポの曲をやることになりました。スケーターではなく、ダンスの振り付けで、新鮮なプログラムに注目してほしいですね。全体を通して、33歳のおじさんが頑張っているな、と思ってもらえると」
彼は失敗さえ、楽しんでいるように笑った。それが復帰2シーズン目の境地――。アップテンポのロックナンバーの曲名は「The Phoenix 」。蘇り続ける「不死鳥」だ。
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