2019.08.30

今季の宇野昌磨は「表現」にこだわる。
「早く皆さんにお見せしたい」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

SP『グレート・スピリット』を初披露した宇野昌磨 シーズンオフの最後のアイスショーとなる「フレンズオンアイス」の公開リハーサルが行なわれ、宇野昌磨がキレキレの滑りを見せた。メインコーチを置かずに臨む予定の新シーズンに向け、準備が順調に進んでいることをうかがわせた。

 この日は、昨季のエキシビションナンバー『グレート・スピリット』をショートプログラム(SP)の試合用にアップグレードしたプログラムを、ユニークな衣装とともに初披露した。質の高いトリプルアクセルを跳んでみせたほか、十八番のクリムキンイーグルで魅了し、最後は躍動感あふれるダンサブルなステップで見ごたえ十分の演技だった。試合用のSPとしては出来立てホヤホヤだったが、滑り込んできた曲だけにエキシビションとはまた違った印象を見せて会場を沸かせた。

 また、髙橋大輔とチャーリー・ホワイトとのコラボナンバーで、スピーディーな滑りとコミカルな演技を見せるなど、昨季よりもスケーティングの向上が際立っていたのは間違いない。

「昨季もアイスショーでよく使っていたプログラムの『グレート・スピリット』をSPにしようということになり、試合用にちゃんとジャンプも入れ、ステップも入れて、つい先日、作り直しました。とても体力的につらいところはあるんですけども、僕にとっては初めて、スタートから最後まで動きっぱなしのプログラムになっています。これがシーズン終わりには簡単にできるように、滑り込んでいきたいなと思っています」

 宇野自身が話すように、新SPは速いテンポで激しい踊りを最初から最後まで滑る。エキシビションの時はジャンプの難易度を落として表現に重点を置いていたが、勝負するためのプログラム構成に変えて武器である4回転フリップが加わり、4回転+3回転の連続ジャンプも跳ぶことになっている。昨季はこのエキシビションナンバーを滑ることで、内にこもりがちだった自己を解放させ、シャイなところを払拭した宇野にとって、また一段、ステージを上げる大きなチャレンジとなりそうだ。