ウナギ・サヤカが語る「ただのバカが負けた」とならないための努力 プロレスを面白くするために常に考え、すべてを吸収する (4ページ目)
【苦しかった時に寄り添ってくれた長与千種と彩羽匠】
――「プロレスで全員を幸せにしたい」とおっしゃっているけれど、今回の両国では、(前編で話したように)前田日明さんが登場した件で幸せにならなかった人たちもいたと思います。そこは難しさを感じましたか?
ウナギ:難しいですね。なんかもう「捉え方だな」と思うところはあって、一定数、否定的に捉える人もいますよね。でもやっぱり、里村(明衣子)さんとのワンマッチの時は、誰ひとり何も言わなかったし、言えなかったので。あのくらい圧倒的なものを作るしかないのかなとは思います。
――批判はともかく、なんで誹謗中傷しちゃうんでしょうね......。
ウナギ:その誹謗中傷する人が苦しい時に、救われなかったことが原因だと思うんですよ。私もスターダムをクビになって、"ギャン期(ウナギの造語。他団体参戦をメインにした期間)"に入った時に誰も助けてくれていなかったら、もっと違う気持ちでやってたと思う。「スターダム、見てろよ!」という負の感情だけだったと思うし、そういう時に助けてくれた人がいるかいないかは、かなり大きいんじゃないかなと思いますね。
――両国のマイクで「スターダムをクビになって、一番苦しかった時に寄り添ってくれたのは、長与千種と彩羽匠でした」とおっしゃいましたね。
ウナギ:一番しんどい時に、あのふたりが「とりあえずマーベラス出ろ」って言ってくれたんですよね。本当に明日がない状態だったので。もちろんその段階で「じゃあ出てよ」って言ってくれる人たちもいっぱいいましたけど、乗り込みっていうスタイルを作ってくれたのはマーベラスだったのかな。
(宝山)愛ちゃんから始まり、Mariaとやって、彩羽匠を狙ったけど(彩羽が)肩をケガしちゃって。地元の博多凱旋となるはずだった大会にも肝心の彩羽匠が出られないってなった時に、「チケット100枚売ってきます」ってやったりとか。他の団体とは違う関わり方をしてきたなとは思う。
でも、マーベラスだけが特別なのは自分も気持ち悪いし、違う団体には違う還元の仕方をしたいという気持ちがあって。各団体との関わり方だったり、見せ方だったり、ただ「やりたい」っていうだけじゃなくて、全部別の形で表現していきたいなと思ってます。チーム200キロ(橋本千紘・優宇)対ひとり(ウナギ)とか、ZERO1の火祭り(女子レスラーとして初めて参戦)とかもそうですね。
4 / 5