ウナギ・サヤカが語るスターダム解雇とその後 全日本プロレスへの参戦、長与千種の指導などで大飛躍 (5ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

【火祭りを乗り越え芽生えた「なんでもできる」という自信】

 7月2日より、火祭りに参戦。リーグ戦は全敗に終わったが、非公式戦を含め、男子選手6人と短期間に対戦し、離脱することなくシリーズ完走を果たした。世界の田中将斗とも対戦し、田中の必殺技・スライディングDを勝手に譲り受け、「スライディングTANAKA」と命名。自分の得意技にしてしまうなど、話題に事欠かなかった。

 火祭りを通して「強くなった」「巧くなった」という実感はなかったが、「あれを乗り越えたからなんでもできる」という自信が芽生えた。なにより子どもたちが応援してくれたのがうれしかったという。

「それまでキラキラした会場で花道を歩いて入場していたけど、火祭りでは屋外で普通に人が通りかかるような場所で試合をしたんですよね。子どもがいて、おじいちゃんがいて、『これが本来のプロレスなんだろうな』と思いました。やってよかったなと本当に思います」

 小橋建太プロデュース興行「Fortune Dream8」にてKAIRIとシングルマッチを行ない、火祭り開催中にアジャコングと「プラズマ爆破マッチ」を行ない、大仁田厚と「トルネードバンクハウスメガトン電流爆破デスマッチ」も行なった。10月には日米の女子プロレスをミックスした「KITSUNE WOMEN'S WRESTLING」で初代シングル王者に輝いた。

「スターダムに戻るために活躍したい」という思いは、気づけば微塵もなくなっていた。彼女のプロレス人生は、フリーになってわずか1年で自身の想像を遥かに超える壮大なものになったのである。

(後編:「東京ドーム自主興行」を目指して 人生賭けて応援してくれるファンのためなら「私はなんだってやる」>>)

【プロフィール】
■ウナギ・サヤカ

1986年9月2日、大阪府生まれ。2019年1月4日、東京女子プロレス後楽園ホール大会にて「うなぎひまわり」としてデビュー。2020年11月、スターダムに初参戦。コズミック・エンジェルズを結成し、12月、アーティスト・オブ・スターダム王座を戴冠。2021年7月、フューチャー・オブ・スターダム王座を戴冠。2022年10月よりフリーになり、"ギャン期"と称して多団体に参戦。2023年10月、KITSUNE世界王座の初代王者、2024年1月6日、JTO GIRLS王者、1月7日、アイアンマンヘビーメタル級王者となり、三冠王となる。2024年1月、9月、後楽園ホールにて2度の自主興行を開催。168cm、54kg。X:@unapi0902

【大会情報】
■自主興行・第3弾
・日時:2025年2月16日(日)
・場所:東京・後楽園ホール

■自主興行・第4弾
・日時:2025年4月26日(土)
・場所:東京・両国国技館

【写真】ウナギ・サヤカ フォトギャラリー デスマッチで顔面が真っ赤に染まったカットも

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