ウナギ・サヤカが語るスターダム解雇とその後 全日本プロレスへの参戦、長与千種の指導などで大飛躍 (2ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

【スターダムを解雇され、"ギャン期"に突入】

 2022年10月3日、自身のYouTubeチャンネルで、「ギャン期」と称し、他団体参戦をメインに活動していくことを発表した。"ギャン"とは彼女がよく使うオリジナルの言葉で、挨拶だったり感情の高まりだったり、いろいろな意味を表す。"アロハ"みたいなものだという。

 当時、スターダム所属のまま他団体に参戦するのか、フリーになるのか、ファンの間でさまざまな憶測を呼んだ。ウナギに真相を尋ねると、「今だから言えますけど、スターダムをクビになりました」と言う。

「『クビ』ってマイナスにしか捉えられない表現だったので、それは言いたくなかった。笑い話にできるくらいになった時に言おうかなと。今はもう笑い話ですね」

 人気絶頂のなか、スターダムを解雇されたのはなぜだったのか。「マジでわからない」としながらも、彼女なりに思うところはある。

「東京女子(プロレス)からスターダムに入って、毎回ボッコボコにやられていたし、ついていくのに必死だったんですよ。ベルトも巻いたけどまったく余裕がなくて、今思えば自分のことしか考えられなかったし、それによって傷ついた人がいたことにすら気づけていなかった」

 当時のスターダムは、女子プロレス界において一強。スターダムにいれば試合数も生活も、スターになれるということも保障されている。そんなスターダムを解雇され、ウナギは「終わった」と思ったという。自分のプロレスはここで終わりだし、他でこれ以上の存在になることは無理だろうと。

 しかし、プロレスをやめるという選択肢はなかった。「人生を賭けられるものなのかもしれない」と思い始めた頃だったからだ。フリーになるのは不安で仕方なかったが、ギャン期という名前に変えて、プラスに変えることができたなら......。とにかく、どこに行っても一番話題にならなければいけないし、それができなかったら本当に自分の人生は終わる。そんな崖っぷちの心境だった。

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