猪木vsアリ戦で「ルールの詳細を視聴者に明かせなかった」実況アナ 「猪木にはこの戦法しかありません」と伝えられなかった

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Sankei Visual

 一方の猪木は、通常のプロレス技を禁じられたルールで、アリキック以外に活路を見出すことはできなかった。それでも舟橋は、リング上の猪木を見て「勝てると思っていたはずです」と明かす。

「猪木さんにとって、この試合のルールは極めて過酷でしたが、自分が勝てるという自信はあったはず。ただ、『アリに大きなケガを負わせるわけにはいかない』という葛藤があったんじゃないかと。そんな思いも重なって、あのアリキックに徹したんじゃないのかと思います」

 膠着状態が続くかと思われたが、6ラウンドに事態は急展開する。ついに猪木が、アリを"捕獲"したのだ。

(5)猪木とアリに芽生えた友情 世紀の一戦は「究極の『無言の会話』を交わした闘いだった」>>

【プロフィール】

舟橋慶一(ふなばし・けいいち)

1938年2月6日生まれ、東京都出身。早稲田大学を卒業後、1962年に現在のテレビ朝日、日本教育テレビ(NET)に入社。テレビアナウンサーとしてスポーツ中継、報道番組、ドキュメンタリーなどを担当。プロレス中継『ワールドプロレスリング』の実況を担当するなど、長くプロレスの熱気を伝え続けた。

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