長州力は2代目タイガーにキレていた?若き三沢光晴がオリンピアンの長州相手に見せた天才の片鱗 (3ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • 山内猛●撮影 photo by Yamauchi Takeshi

――馬場さんの指導が、2代目タイガーがブレイクしなかったことの象徴とするのは斬新ですね(笑)。

「もうひとつ、大人になった今に思うことは、対抗戦で2代目タイガーに勝った長州さんの気持ちです。一体、どんな気持ちで戦っていたのか。当然、『勝つのは俺だ』と思っていたでしょうけど、『一発持っていかれるんじゃないか』とよぎるくらい三沢さんの才能にも気づいていたはずです。俺としては、難しい試合だったんじゃないかと思っているんですが......この試合の映像を各解説者に見てもらって意見を聞きたいぐらいです。

 よく考えたら、のちにトップレスラーとなる三沢さんが長州さんと闘った貴重な試合なんですよね。2代目タイガーのマスクを脱いで以降は、長州さんとの絡みはない。だからプロレスの長い歴史のなかでは埋もれがちですけど、この試合を何らかの形で見られた人は、ビートルズの新たな音源を見つけたくらいの気持ちになると思いますよ」

――本当にそんな試合でしたね。

「だからこそ僕は、そろそろ声を大にして言いたいことがあります。全日本プロレスの埋もれている試合は山のようにあるはずなんで、番組を放送していた日本テレビさん、社内にあるはずのデータをすべて世に出してください! それが見られることが、俺の夢です」

(連載6:ザ・コブラの異様すぎる凱旋マッチに「今、俺は何を見ているんだ?」>>)

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