2代目タイガーマスクが長州力との対戦前に、ジャイアント馬場から授かった「サソリ固め封じ」のまさかの結末
(第4回:蝶野正洋に「ヒールの本性」を感じた不穏試合。武藤敬司と組んだIWGPタッグ戦で掟破りのパンチ攻撃>>)
子供の頃からあらゆる団体の試合を見続け、各メディアで"プロレス愛" を披露してきたケンドーコバヤシさんが、独自の目線で名勝負を語り尽くす連載。第5回は、2代目タイガーマスクが「勝負の一戦」で見せたサソリ固め封じの顛末について語る。
長州力(上)のサソリ固めを返そうとする2代目タイガーマスク(下)この記事に関連する写真を見る***
――ケンコバさん、今回語る名勝負はどうしますか?
「昭和のプロレスファンなら誰もが覚えていると思うんですが、意外に埋もれているというか、語られていない試合にしましょうか」
――その試合とは!?
「長州力vs2代目タイガーマスクです」
――1986年3月13日、日本武道館で行なわれた一戦ですね。
「そうです。この試合は当時、全日本プロレスに参戦していた長州さん率いるジャパンプロレスと、全日本プロレスとの対抗戦で実現したんですが......まずは、試合形式に対して『なんでや?』と思いましたね」
――どこが疑問だったんですか?
「対抗戦なのに6対6という形式だったので、俺も子ども心に『え、試合数が偶数?決着がつかなかったらどうするんや?』と不思議で。今では考えられないような試合形式ですよね」
――この対抗戦は7対7の予定だったのが、ジャイアント馬場さんと対戦するはずだったジャパンプロレスの寺西勇さんが、試合前に右ろっ骨を骨折して欠場したんでしたね。
「寺西さんの欠場が決まった時に、代役を立てて7対7でやるのかと思いきや、その試合をナシにしただけ。軽い衝撃を覚えました。試合はテレビで見ましたが、『3勝3敗になったら、全日本とジャパン、どっちの勝利なんや......』と混乱してしまって。そうしたら対抗戦が始まる前に、リングアナウンサーの仲田龍さんから『(3勝3敗になったら)そのまま引き分けとなります』という説明があったんです(笑)」
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