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井上尚弥に続けるか。中谷正義がロマチェンコに勝つ方法を米識者4人が考えた (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

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●パネリスト

【クリス・アルジェリ】
元WBO世界スーパーライト級王者。37歳になった現在でも現役だが、『ESPN』のボクシング放送で解説者も務める。

【マルコス・ビレガス】
『Fight Hub TV』の創始者、インタビュアー。『FOX』のボクシング中継で非公式ジャッジを務める。

【ジョナ・ディラン】
米紙『ラスベガス・レビュー・ジャーナル』の記者。6月19日の井上vsダスマリナス戦に続き、ロマチェンコvs中谷戦も現場取材する。

【ライアン・オハラ】
『リングマガジン』のライター。コロラド州在住。丁寧な取材に裏打ちされた流麗な記事を執筆する。

Q1.中谷がロマチェンコに勝つためにやるべきことは?

アルジェリ 中谷はすばらしいタフネスとハートの強さを持っている。普段どおりに手数を出し、プレッシャーをかけていくべきだ。ロマチェンコとリングの中央で戦った場合は厳しい流れになる。長身の中谷はサイズのアドバンテージを武器に、ロマチェンコを追いかけ回し、時にサイドステップも使い、相手に自由に動かれないようにするべきだ。

 パンチを当てるチャンスがあったら、顔面、ボディに限らず、肩でもヒジでもグローブでも構わないから打ちまくる。フィジカルの強さでは上回っているだけに、パンチをヒットできれば、たとえそれが急所ではなくとも効果はあるはずだ。

ビレガス ロマチェンコはすでに一度、オーランド・サリド(メキシコ)というプレッシャーをかけるのがうまい選手に敗れた経験がある。中谷はサリドよりサイズがあり、打たれ強さ、パンチ力も上だろう。ベルデホ戦では多少の被弾があっても絶えず前に出続けて、精神力の強さも証明した。

 ロマチェンコの心身のコンディション次第だが、中谷には大きなチャンスがあると私は見ている。クレイジーと言われるかもしれないが「中谷が有利じゃないか」とすら考えている。ロマチェンコ陣営が復帰戦の相手として中谷を選択したのは、適切だと思えない。

ディラン 中谷にとって大事なのは、ジャブを有効に使って距離感を掴むこと。さらに独特のスタイルを最大限に生かし、ロマチェンコを戸惑わせること。いずれにせよ、中谷にとっては最初の数ラウンドが極めて重要になる。そこでロマチェンコにフラストレーションを抱かせ、ポイントを奪い、ペースと自信を掴めたら試合は面白くなる。逆に序盤を制することができなかった場合、巻き返すのは簡単ではない。

オハラ 中谷はロマチェンコを下がらせる必要がある。ジャブを生かし、不必要なリスクを犯すのを避けること。ただ、ロマチェンコのスタイルは、中谷には攻略が難しいように思える。

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