検索

【男子バレー】宮浦健人が問い続ける「足りなかったもの」 世界選手権敗退から復活をかけて代表へ (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【「悔しくても逃げずに...」】

 セミファイナルでは、サントリーサンバーズ大阪としのぎを削った。前シーズンの王者であり、レギュラーシーズン1位のサントリーが誇る多様なサーブと堅牢な高さ、そして際立ったレシーブ力を備えた相手に苦戦することになった。1日目にセットカウント0-3と完敗後、2日目は1-3と食らいついたが、力及ばず、だった。

「レギュラーシーズン、自分たちより順位が下の相手には勝てましたが、上のサントリーや(大阪)ブルテオンには勝てていないので」

 試合後の会見で、宮浦はいっさい、言い訳をしなかった。

「(1日目にストレートで負けた試合後)サントリーどうこうより、自分たちのメンタルを変えて戦いました。個人的に修正したのは、(イゴール・)クリュカとのマッチアップにどう対応するか。クリュカのブロックの強みは最後の瞬間、ストレートを抑えにくるので、そこでブロックされないように......結果として、試合を通じていいバレーができましたが、最後の部分で自分が決めきれなかったのも事実。経験のあるサントリーがひとつ上手でした」

 彼は粛々と言って、芯のある声でこう続けていた。

「今シーズンに関しては、うまくいかないことが多かったです。いろいろチャレンジして、チームメイトにもすごく負担をかけましたが......オミさん(セッターの深津英臣)とコンビを改善させながら、課題を乗り越えられたところもあって、速いトスに取り組み、こうしたらうまくいくと仮説を立て、成功、失敗を繰り返し、ひとつの形ができました。できていないこともたくさんありますが、改善の繰り返し。目の前の課題に対し、逃げずに向き合えたとは思っています。

 悔しいことは多いですが、いろんな思いを抱えながらやりきることはできて、成長できたシーズンなのかなと。それは誇りに思うし、悔しさをこの先、来年、2、3年後に"こういう思いをしてよかった"と思えるように、これからも逃げずに挑みます」

 宮浦は断固として言った。ネーションズリーグ、ロサンゼルス五輪アジア予選と続く日本代表での戦いでも彼は逃げない。挑み続けた勝負の先に、自ずと答えは浮かぶはずだ。

スポルティーバの最新号はバレーボール特集!! 

2026年6月30日(火)発売 定価 2,200円(税込)
【詳しくはこちらへ】

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

3 / 3

  • Googleで優先するソースとして追加

Googleの「優先ソース」について

キーワード

このページのトップに戻る