男子バレー日本代表で「言葉が出ないぐらいすごかった」と絶賛する選手とは? 清水邦広が現メンバーの能力を徹底分析 (5ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • Photo by FIVB

――チームはアジア選手権を制し、OQTに臨みます。パリ五輪出場に向けてカギとなるのは?

清水 アジア選手権はイランでの開催でしたが、いろんな選手を試しながら勝ち進み、さらに力をつけた大会になったと思います。準決勝のカタール戦はセットをひとつ落としたものの、それ以外はすべて3-0のストレート勝ち。選手たちは大会を通して集中力が高く、感心しながら応援していました。

 OQTでは、VNLやアジア選手権で得た自信を、どれだけ相手へのプレッシャーに変えて戦えるのか、という点もポイントのひとつだと思います。かつて、ブラジルなど強豪国に対して日本が「当たって砕けろ」的な精神で挑んだように、今後は海外のチームが「日本は強い」という認識で対策をしてくると思います。いかにそれを跳ね返し、崩れずに相手の心を折れるのか。日本はそういったレベルのチームになったと思います。

 自分たちの力を出せれば必ず結果はついてくるはずですし、過度なプレッシャーを感じることなく戦ってほしいです。連戦が続き、体やメンタルには負荷がかかっているかと思いますが、全員で乗り越えてほしい。日本開催ということでみなさんの声援も味方に、力を発揮してほしいと思っています。

【プロフィール】
■清水邦広(しみず・くにひろ)

1986年8月11日生まれ。福井県出身。福井工業大学附属福井高校から東海大学に進学。20歳の時に日本代表に選出され、2008年に最年少の21歳で北京五輪に出場する。卒業後はパナソニックパンサーズに入団し、長らく日本代表のオポジットとしても活躍。2021年の東京五輪でも日本の準々決勝進出に貢献した。

プロフィール

  • 中西美雁

    中西美雁 (なかにし・みかり)

    名古屋大学大学院法学研究科修了後、フリーの編集ライターに。1997年よりバレーボールの取材活動を開始し、専門誌やスポーツ誌に寄稿。現在はweb Sportiva、バレーボールマガジンなどで執筆活動を行なっている。『バレーボールスピリット』(そしえて)、『バレーボールダイジェスト』(日本スポーツ企画出版)、『球萌え。』(マガジンハウス)、『全日本女子バレーコンプリートガイド』(JTBパブリッシング)などを企画編集。スポルティーバで西田有志の連載を担当

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