男子バレー大塚達宣が「控えメンバー」として見た東京五輪。「悔しさもあるけど、だからこそ『ここで終わりじゃない』と思えた」 (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by Hino Chizuru

東京五輪メンバーとしての自覚

――東京五輪のあとは、大学に戻ってインカレで優勝。やはりオリンピックでの経験が生きたのでしょうか。

「正直、経験が生きたかどうかはわかりません。日本代表とは違って、大学では"僕が中心"という気持ちでやらないといけないですし、役割が違いますから。ただ、インカレ優勝を目標にずっとやってきたので、それを達成することができてよかったです。僕はプレーもそうですが、声かけや雰囲気作りでも中心になれるように意識していました。本当にチーム全員の力で優勝できたと思っていますし、僕自身、すごく手応えがありました」

――その後もVリーグに参戦するなど忙しかったと思いますが、オフに息抜きできるような趣味は?

「特にないですね......コロナ禍の影響もありますけど、人混みは好きじゃないですし。ひとりでサイクリングをすることはありますね」

――ちなみに、バレー漫画の『ハイキュー!!』を読むことはありますか?

「めっちゃ読んでますよ(笑)。僕は牛島若利というサウスポーの選手が好きです。どんなに苦しい時でも、セッターの力じゃなくてアタッカーの力で、ブロックが何枚ついてもバシッと決められる"絶対エース"。自分もそうありたいと思います」

――4月には今年度の日本代表が発表され、大塚選手も名を連ねました。あらためて意気込みを聞かせてください。

「パリ五輪に向けてチームも新しくスタートするので、選ばれている全員が高い意識で取り組む必要があると思います。今年は大会も多く、(世界選手権を戦うチームと、アジア大会などを戦うチームで)メンバーも2つに分かれますが、それぞれの場所で選手たちがベストを尽くしてチーム力を高めていかないといけない。僕もその意識を忘れずに頑張りたいです」

――過去2年の日本代表としての経験がありますから、より自信を持って臨めるのでは?

「自信......どうやろ(笑)。評価していただいているのはうれしいですし、東京五輪メンバーとしても活動した自覚は持たないといけませんが、選ばれて当たり前とは思っていません。いろいろ経験させてもらっている分、指示されているからやるのではなくて自主的に取り組んでいきたいです。

 チームとしては、パリ五輪の出場権を獲得するのはもちろんですが、本大会で東京五輪のベスト8以上の成績を残したいですね。個人としてはそこでプレーすることが一番の目標です。よりチームに貢献できる選手になるために、今年1年間は自分の能力をしっかり伸ばしていきたいです」

※取材日:4月12日

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る