男子バレー左の新エースはルーキー宮浦健人。ユース代表で控えだった西田有志の活躍に「僕も負けない」

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

サーブのフォームからも身体能力の高さを感じる photo by Hino Chizuruサーブのフォームからも身体能力の高さを感じる photo by Hino Chizuruこの記事に関連する写真を見る

【石川祐希への感謝】

 宮浦は総得点だけでなく、サーブの得点と効果率でもトップ5にランクイン。高い身体能力を存分に生かして得点を積み上げている。ここまでの手応えと課題をどう感じているのか。

「スパイクに関しては、通常のトスはいい感触でスパイクを打つことができています。ただ、難しいトスになった時に強打でいくのか、リバウンドを取るのか、相手の嫌なところに落とすか、といった状況判断ができてないことがありますね。アジア選手権で課題に感じた、ブロックを利用する打ち方もまだまだです。

 サーブは今シーズンの序盤は全然安定していなかったんですが、いろいろ試行錯誤することで徐々によくなってきています。手応えがいい時はサービスエースが取れたり、相手を崩したりすることも増えてきている。そこは成長したかなと思います」

 Vリーグでの成長の先には、日本代表、2024年のパリ五輪がある。初めてシニア代表として出場したのは昨年9月のアジア選手権。宮浦は「本当にいい経験ができた」と振り返る。

「特に(身体能力の高い)中国、イラン、カタールと試合がやれたことは大きかったです。自分の中では、サーブレシーブからのアタックはかなりよかったと思っていますが、スパイクレシーブからのアタックは厳しい場面がありました。相手のブロックが高いので、特にハイセット(2段トス)ではなかなかうまく決められなかったですね。先ほども話したように、もっと相手のブロックを利用する打ち方をする必要があると感じました」

 アジア選手権では代表のキャプテンでエースの石川祐希とも一緒に戦い、プレーでチームを引っ張るだけでなく、積極的にコミュニケーションを取る姿に頼もしさを感じた。石川はアジア選手権からの参加になった宮浦を、チームに溶け込めるよう気遣ってくれたという。「頑張れよ」という何気ない言葉かけや、コートの中では技術的なアドバイスもしてくれたそうで、「とてもやりやすかった」と感謝を口にした。

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