男子バレー左の新エースはルーキー宮浦健人。ユース代表で控えだった西田有志の活躍に「僕も負けない」 (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

【パリ五輪へ「現状維持ではいけない」】

 そんな石川や西田らの奮闘で、男子バレーが29年ぶりのベスト8まで進出した昨夏の東京五輪はテレビで観戦。そこでパリ五輪への思いを強くした。

「予選ラウンドを突破したことに興奮しましたし、『あの舞台に立ちたい』という思いが増しました。もちろんパリ五輪の出場を目指しています。ただ、他の国同士の試合も見ていて、中途半端にやっていたらそれが叶わないこと、もっと結果に対する執着心を持たないといけないと感じました。アスリートである以上、現状維持ではいけない。常に上を意識しながらプレーしています」

 同じ左利きのオポジットとしてすでに結果を残している西田は"超強力"なライバルになるが、「西田選手はパワーもボールコントロールもすごいですが、そこは僕も負けないと思っています」と強気に述べた。

 今年度の日本代表での活動に弾みをつけるため、個人としてだけでなく、チームとしてもVリーグで結果を残したいところ。しかし、天皇杯での中断期間を挟んでの5連敗もあって、ジェイテクトは一時7位に順位を落とした。その苦しい時期を経て、1月16日のホームでの東レアローズ戦で久々の勝利を挙げたあと、宮浦はしばらくコートに仰向けになり、男泣きした。

 リーグはまだ折り返し地点を過ぎたばかり。現在6位のジェイテクトも、レギュラーラウンド上位3チームによるファイナルステージ進出を諦めていない。

「まだ僕たちにもチャンスがあると思っています。先を見ずに、1戦1戦ベストを尽くしていきたい。勝っていけば先が見えるし、ベストを尽くした上での負けからは明確な課題も見つかります。全試合全力で、応援してくださるファンの方々にも『見に来てよかった』と思ってもらえる試合をしていきたいです」

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