レブロン、八村塁らとレイカーズで活躍する姿にダラスのファンは......ルカ・ドンチッチを放出したマブスの今とこれから
世界中に驚きを与えたドンチッチ(左)のトレード放出とマブスに移籍したデービス photo by Getty Images
NBA史上、もっとも不可解で驚きを与えたルカ・ドンチッチのトレード放出から約2カ月が経とうとしている。
ダラス・マーベリックスが26歳にしてNBA史に名を刻む存在感を発揮し続けるドンチッチをロサンゼルス・レイカーズに放出した真の背景は、代わりに獲得した選手がパリ五輪アメリカ代表の金メダルメンバーであるアンソニー・デービスであるとはいえ、いまだにミステリーに包まれている部分がある。
ただ、すでに時は流れ、両チームは新たな歩みを進めている。そんなNBA史に残るトレードについて、デービス本人のコメントも含め、マブス側の視点から現在と今後について考察する。
【マブス移籍直後のケガから復帰したデービスの思い】
"NBA史上最大のトレード"が断行されてからもうすぐ2カ月――。
世界中を仰天させた大トレードでダラス・マーベリックス(マブス)から放出されたルカ・ドンチッチは、今ではロサンゼルス・レイカーズのエースとして活躍している。ドンチッチ、レブロン・ジェームズ、八村塁といった豪華メンバーを軸に再出発したレイカーズは、リーグ最大の注目チームになった。一方、トレードのパートナーとなったマブスも"ポスト・ドンチッチ"の旅路を開始していることを忘れるべきではない。
25歳(現26歳)のドンチッチの主要な交換要員としてマブスに移籍したのは31歳のビッグマン、アンソニー・デービス。通称"AD"は3月24日、敵地でのブルックリン・ネッツ戦でようやくマブスの一員として2戦目をプレーした。トレード直後の2月8日、デービスは左内転筋の張りで戦線離脱し、約1カ月半が過ぎてようやくコートに戻ってきたのだ。
「あきらめるつもりはなかった。今季中に復帰することに何の疑いもなかった。全員で力を合わせて進んでいくつもりだ。今後、状況がどんどんよくなっていくことを願っている」
試合後にそう述べたデービスは、この日は12得点、6リバウンドをマークしてマブスの勝利に貢献した。現在のマブスは依然として多くの故障者に見舞われており、「状況がよくなっていくことを願う」というADの思いは、今季中には果たされないかもしれない。そうだとしても、いやそうであるからこそ、論議を呼んだトレードの"最後の審判"は、もうしばらく待つべきだろう。
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著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう