石井琢朗&プロテニスプレーヤー石井さやか・父娘対談《後編》「いつまで経っても『お父さんの娘』の立場じゃ悔しいじゃないですか」 (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki

【『石井琢朗の娘』はプレッシャーだった?】

さやか「そうですね......、いつまで経っても『お父さんの娘』の立場じゃ、なんかちょっと悔しいじゃないですか。いつか決定的な、立場逆転的な何かをしたいなっていう気持ちはあるので、自分で考えて言いました。背はもう抜きましたし(笑)」

琢朗「僕はさやかには、ずっと言ってきたんです。今、みんながさやかに注目してくれるかもしれないけれど、それはうしろにお父さんがいるからだよと。スポーツをやっていく以上、僕の名前は必ずついて回るので、そのことは小さいうちから言っていました」

娘の素直な気持ちに表情を和らげる石井琢朗氏 photo by Sano Miki娘の素直な気持ちに表情を和らげる石井琢朗氏 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る── さやかさんは、お父さんの娘と言われることを重圧に感じたことはありますか?

さやか「もちろん今までも『石井琢朗の娘』だと言われてきたけど、それをプレッシャーに感じてはいなかったと思います。うん、ないです」

── 琢朗さんは、さやかさんを見てきた経験が野球の指導者として生きていることはありますか?

琢朗「多々、ありますね。毎年ドラフトで若い選手たちが入ってきますが、今は僕らの時とは時代も違うし、接し方が難しいところもあるのですが、さやかを見ているような感じで彼らを見ていると、だいたい、そこは何とかなるというか」

さやか「私のおかげだ(笑)」

琢朗「はい、だいぶ成長させていただきました(笑)」

── では最後に、琢朗さんはさやかさんに、今後どのように成長してほしいと思われますか?

琢朗「正直、さやかが今回プロになって初優勝したというのは、本当にすごくうれしい。ただやっぱり、これが始まりだと思っています。これを当たり前にしなくてはいけないし、その当たり前のレベルを上げて、もっともっと上を目指してほしい。常に、上には上がいることを頭のど真ん中に置いて、自分の目標や夢を実現してもらいたいなと思っています」

さやか「私は、一番の夢はウインブルドン優勝ですが、まずは年内に、グランドスラムの予選に出場するのが目標です」

── お父さんに、何か言いたいことは?

さやか「ないです!」

琢朗「ないんかーい!」

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