錦織圭のアスリート本能を刺激したツアー復帰戦「若手と対戦することが、復帰へのモチベーションだった」 (4ページ目)
【錦織が敗戦後に語った本音】
ツアーを満たす新たな時代の熱い息吹は、リハビリに励んでいた錦織のアスリートとしての本能を刺激もしただろう。ATP公式サイトに語った「アルカラスや(ホルガ・)ルーネ、(ヤニック・)シナーら若手と対戦することが、復帰へのモチベーションだった」の言葉にも、その意志が込められている。
アトランタオープンのフリッツ戦後、錦織は「差は感じたが、いいプレーは随所にあった。これから上げていきたい」と言っていた。
変容しつつあるテニス界の今を感得し、目指す地点との距離を身体感覚で計測する──。手のひらに残したその手応えこそが、復帰後初のATPツアーで錦織が得た「最大の収穫」だ。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
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