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大坂なおみに足りなかったもの。
18年全豪で大きなイメージ変化があった (5ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 ハレプも「試合で私がリードしている場面でも、なおみはポジティブだった」と、大坂が常に前向きな姿勢で戦っていたことを評価していた。

「試合中ポジティブでいることは、今まさに、私がメインに取り組んでいることです。今大会中も、それが自分の助けになっています。これからもっとよくなるように取り組み続けていきたいと思います。自分のテニスのクオリティーこそが確かな自信をもたらしてくれるのです」

 こう語った大坂には、それまでの彼女には見られなかったポジティブさに満ち溢れ、彼女のメンタルとテニスのレベルを同時に引き上げることにつながった。まさに大坂の覚醒の瞬間であった。

 そして、それをあと押しするかのようにバインコーチは、大坂の才能に惚れ込み、彼女のポテンシャルを信じていた。

「僕たちは、将来グランドスラムで優勝することを目指しています。なおみの可能性は無限大です」

 グランドスラム初優勝という目標は、大坂とバインコーチのベクトルが完全に一致したことで、現実味を一気に帯びた。

 私も大坂は必ずグランドスラムで初優勝できると、このメルボルンで確信できるようになったが、それからわずか8カ月後のUSオープンで、彼女はそれを実現させたのだった。

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