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大坂なおみに足りなかったもの。
18年全豪で大きなイメージ変化があった (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 試合後の取材で、当時の大坂は、ICレコーダーを彼女のそばに置かないと録音できないほど小さくかぼそい声で質問に答えていたが、対照的に自分の大きな目標はきっぱりと宣言していたのが印象的だった。

「グランドスラムで優勝したい。世界ナンバーワンになりたい」

 大きな目標を掲げるのは、若いプロテニス選手の特権のひとつと言える。大坂がスケールの大きいテニスをすることは理解していたが、その反面安定感に欠けていたため、グランドスラムの優勝や、世界の頂点に登り詰めることができるのか、この時、正直私にはわからなかった。

 そして月日は流れ、2018年1月の全豪オープン。そこで大坂の新たな姿を見ることになった。

 当時の彼女の世界ランキングは72位。この大会は、大坂が2017年末からタッグを組んだアレクサンダー・バインコーチと初めて一緒に戦うグランドスラムであった。

 2017年12月から、1日約4時間のフィットネストレーニングを行なって、体重を7kgも落とし、体つきがシャープになったことで、フィジカルが向上。それによって、コートカバーリングが明らかによくなった。結果、テニスのプレーのレベルアップにもつながり、新たな自信が生まれていた。

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