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大坂なおみに足りなかったもの。
18年全豪で大きなイメージ変化があった (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 こんなに速いサーブを打てる日本女子選手がいるのか――。

 1回戦は、雨天のためインドアテニスコートに場を移して行なわれたため、余計に彼女のサーブの速さが際立っていた。おそらくファーストサーブは、時速170~180km台を叩き出していたと思う。当時16歳の大坂は、すでに180cmの長身で、日本人離れしたパワーを持ち合わせ、それまで日本女子プロテニス選手にはなかったスケールの大きさを感じさせた。

 一方、荒削りなテニスでミスが凄まじく多かった。第1セットを取りながらも、自らのミスの多さで逆転負けを喫し、1回戦で終わってしまった。

 このとき大坂は、父親のレオナルド氏と、2歳上の姉・まり氏の3人でいつも行動していた。大会会場と岐阜市街にあるオフィシャルホテルを結ぶシャトルバスで、大坂親子と乗り合わせることもあり、レオナルド氏が笑顔で、姉妹のスナップ写真を撮る微笑ましい姿を目にすることもあった。

 大坂は、翌年の同大会にも出場すると、17歳で準優勝を飾った。この大会は、WTAツアーより下部大会ではあるが、ITF大会の中ではグレードの高い方で、17歳で簡単に決勝へ勝ち上がれるものではない。

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