錦織に続き世界へ。女子テニス世界ツアー優勝者に聞く・土居美咲 (2ページ目)
だが、振り返れば2015年シーズンを121位からスタートした土居は、厳しい戦いの連続だった。WTAツアーの予選に11大会挑戦して、5大会で本戦へ勝ち上がった。ツアーでの厳しい予選で戦うことにこだわったのは、4月からツアーに同行するようになったクリスチャン・ザハルカ新コーチの方針だった。
「クリスは(下部ツアーのITF大会が)全然眼中にない感じで、とにかくトップの選手と戦って、得られるものが絶対あるということでした。上の選手を破ったときの自信がものすごいものがあるから、そこだけを考えているという感じだった」
こう振り返った土居自身も意識が変わって、上位選手と対戦してもやっていけるんだという自信が芽生え始めていた。そんな状況で迎えたローランギャロス(全仏オープン)2回戦では、第7シードのアナ・イバノビッチにフルセットで敗れ、US(全米)オープン2回戦では、第12シードのベリンダ・ベンチッチから第1セットを奪い、3回のマッチポイントを握りながら逆転負けを喫するなど、あと一歩で惜敗する試合がいくつかあった。そのため上位選手の厚い壁を突破できないメンタルの弱さをささやかれるようになったが、土居はくさることなく、突破口を見つけようとしていた。
「間違いないのは、競って負けはしましたけど、戦えているという事実。すごく役に立つ経験になっていた」
そして、気後れすることも名前負けすることもなく戦えて、なおかつ結果を残すことができたのがWTAルクセンブルク大会だったのだ。実は1回戦から第4シードのアンドレア・ペトコビッチ(WTAランク20位、大会時)に当たるタフドローだったが、7-5、2-6、7-5で勝利。2014年ローランギャロス1回戦で初対戦したときには、ペトコビッチに圧倒されたが、見事リベンジに成功した。
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