【テニス】「トップ10に戻る自信はある」。2016年、ラオニッチの逆襲宣言

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • 山本雷太●写真 photo by Yamamoto Raita

 196cmの長身から放たれる高速サーブは、時速220km台を何度も記録し、ときには時速230km以上を叩き出して、目にも止まらない速さでテニスコートに突き刺さる――。

 ワールドテニスツアー屈指のビッグサーバーであるミロシュ・ラオニッチは、類まれな才能を開花させて、2013年8月に、カナダ人男子として初のトップ10プレーヤーになった。14年ウインブルドンでは初めてベスト4に入り、15年5月には自己最高のATPランキング4位を記録した。

節目節目で錦織圭との対戦が多く、日本でもおなじみのミロシュ・ラオニッチ節目節目で錦織圭との対戦が多く、日本でもおなじみのミロシュ・ラオニッチ

 だが、今シーズンを振り返るとATPサンクトペテルブルク大会でのツアー優勝1回だけにとどまり、ラオニッチ本人が満足のいく戦いはできなかった。14年シーズンは8位フィニッシュだったが、15年はトップ10をキープできず14位に終わり、ATPワールドツアーファイナルズの2年連続出場もならなかった。

「確かに厳しい1年だったね。15年シーズンのスタートはよかったけど、足をケガして、フレンチオープンを欠場し、手術(右足つま先の神経修復手術)をしたため、なかなかいい状態で試合ができず苦労した。一番大きな問題は、自分自身の健康を保てなかったこと。自分の体を保てれば、自分のテニスのレベルを維持できるはずだ」

 ラオニッチの失速の一方で、ノバク・ジョコビッチ(ATP1位)、アンディ・マリー(同2位)、ロジャー・フェデラー(同3位)、ラファエル・ナダル(同5位)の、いわゆる"テニスのBIG4"が、依然としてツアーを支配した。

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