前進したのか、停滞したのか。錦織圭の2015年をデータ分析
昨年は下から2番目。今年は最年少――。
これは、シーズンレース上位8選手のみが参加を許される『ATPワールドツアーファイナルズ』における、錦織圭の立ち位置である。
錦織圭はこの1年間、長いツアーを走り続けた 昨年のテニス界は、全米オープン決勝がマリン・チリッチ(クロアチア)と錦織によって競われたように、あるいはウインブルドンのベスト4にミロシュ・ラオニッチ(カナダ)とグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が顔を揃えたように、新たな世代の台頭が顕著なシーズンであった。
そのため、「ついに世代交代なるか」と思われた2015年シーズンだが、終わってみれば年間ランキング上位8選手のうち、26歳の誕生日(12月29日)を迎えたばかりの錦織が最年少。それは対象範囲をトップ10まで広げても同様で、8位の錦織よりも年少者となると、14位のラオニッチ(12月27日で25歳)までランキング表をたどっていかなくてはならない。
トップ10に名を連ねる選手たちは、34歳のロジャー・フェデラーを筆頭に、半数の5選手が30代。数年前から常々、「僕ももう、若くない」と言い続けてきた錦織が、いまだ上位勢のなかで「一番の若手」というのが、現在のテニス界に広がる景色である。
早期敗退したとき、あるいはケガによる欠場や棄権などが勝利以上に大きく報じられてしまうのは、上位選手の悲しい宿命とも言えるかもしれない。何しろ彼らは年間20前後のトーナメントに出場し、70~90もの試合を戦っているのである。
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