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前進したのか、停滞したのか。錦織圭の2015年をデータ分析 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 このようなケガや離脱がニュースになると、「試合に出過ぎ」「ピークを大きな大会に合わせないと」という声も聞こえ始めたが、『ツアー=旅』というテニス界のシステムがそれを許さないのは、ファンなら重々承知だろう。特にトップ選手たちは、グランドスラムや8つのマスターズ大会等への出場が義務づけられており、これらを欠場するとランキングポイントを得られない。

 ポイントが得られなければランキングは維持できず、ランキングが下がればグランドスラム等でのシード権も得られないので、結果、上位進出は困難となる。つまり、「ツアーでの安定した成績」と「大きな大会での上位進出」は、“鶏と卵”のような関係性だ。またそれ以上に、11ヶ月以上に及ぶシーズンをしっかり戦い抜くことこそが、真のトッププレーヤーの責務であり、証(あかし)でもあるという風潮もツアーにはある。そして錦織本人も、もちろんそのことを自覚している。

「これからも、フィジカルの強化は常に課題になっていく。今回も全米オープンあたりからケガが出てきたので、来年はもっともっと強い身体を作っていきたいと思います」

 11月末に有明コロシアムで開催されたチャリティーイベントで残したこの言葉には、トップ10としての矜持、そして悔いも込められているだろう。その反省を踏まえたうえで、錦織はこう続けた。「今回(年末)のオフだけでなく、ツアー中にもトレーニング期間を何度か作っていくことは、絶対に大切になる。賢いスケジュールの管理と、トレーニングをやっていくことが重要になると思います」。

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