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前進したのか、停滞したのか。錦織圭の2015年をデータ分析 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 強い選手になればなるほど、勝利よりも敗戦のほうがニュースバリューは高くなる。なお、錦織の今季の戦績は、54勝16敗。勝率77.1%は、ランキングでは錦織の上を行くスタン・ワウリンカ(4位/スイス/75.3%)やラファエル・ナダル(5位/スペイン/75.3%)、トマーシュ・ベルディヒ(6位/チェコ/72.2%)らを上回るものである。

 ただ、これらの戦績をさらに細かく見ていくと、前半戦と後半戦で違いが生じるのも、また事実だ。

 錦織が今季参戦した大会数は、ツアーファイナルズやデビスカップも入れると21大会。そのうち、前半戦の10大会(全仏オープンまで)の成績を見ると、35勝8敗で勝率81.4%。これらの高い数字もさることながら、何より光るのが、「大会欠場や試合途中の棄権がない」という事実だ。

 4月上旬のマイアミ・マスターズを終えた時点で錦織は、この棄権や離脱ゼロの足跡について「今のところ離脱しなくてよいというのは、自分でもびっくり」と喜びを込めて語っていた。同時に、「これから(ケガや離脱が)来るのかなということも、ずっと感じながら今まで来ていました」との不安も口にした。

 その約2ヶ月後、不吉な予感は現実となる。戦場がクレーから芝に切り替わった直後のハレ大会でふくらはぎを痛め、準決勝で途中棄権。続くウインブルドンも同じケガが原因で、1回戦後の棄権を余儀なくされた。以降は、8月のシンシナティ・マスターズを欠場、11月のパリマスターズは3回戦で途中棄権。これらの離脱が、前半戦に比べて数字が伸び悩む要因となった。

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