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神尾米が語る錦織圭「まだ挑戦者のままでいいじゃない」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva  photo by AFLO

 初戦で対戦したニコラス・アルマグロ(スペイン)も、積極的にウイナーを狙ってきましたよね。錦織選手は自分のペースで打ち合えていませんでしたが、そんな状況でも底力を見せて勝利を取り切りました。でも、ああいう勝ち方で良いと思います。完璧でなくても、勝つ――。下位の選手には取りこぼさないということが、これからも必要になってきますので。

 あのような底力の源泉にあるのは、ストローク力やフットワークに加えて、メンタルの部分が大きいと思います。あと、サーブもとても良くなりました。スピードがすごく上がっていますし、サーブでポイントを取れる場面も増えましたよね。オフの期間に取り組んできたことが、コート上で発揮できていたと思います。

 今大会の錦織選手のサーブ速度を昨年と比べると、ファーストサーブの平均速度が10キロほど上がっています。聞いたところによると、グリップの握りを少し薄くし、以前よりも内転(腕を振るときに内側に向けてひねり、手の平は外側を向く動作)を生かした打ち方になったようです。

 その動きでサーブが打てるのは、筋力をつけたからだと思います。内転を使った打ち方は、肩が強くないと身体を痛めてしまいますから。それに、腹筋と背筋も重要で、特に肩からお腹にかけて斜めに走る筋肉の強さが必要なんです。錦織選手の身体を見ても、以前より大きくなりました。このオフでかなり鍛えたと思いますよ。あれだけサーブを打ち込んでも腹筋を痛めていないというのも、相当にトレーニングしたからだと思います。

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