なぜ野球界の名伯楽が東大ラグビー部に 中垣征一郎と高橋一聡が紡ぐ「30年越しの東大レッグドライブ」 (3ページ目)
【東大生を指導するという未知の挑戦】
東大ラグビー部には決して珍しくないラグビー未経験者や運動経験の少ない選手ほど、中垣メソッドが染み込んで身体の使い方が劇的に変わってくる。選手たちも最初は半信半疑ながら、たとえばウォーミングアップに垂直方向のジャンプを取り入れるだけで地面反力を実感できるようになった。
オリックス・バファローズで何人もの若い選手を覚醒させた中垣にとって、身体的スペックがプロ野球選手とはあまりに違いすぎる東大ラグビー部員へのアプローチは新鮮であり、もどかしくもある。
「僕が野球のなかでやってきたことと、今、一聡がラグビーのなかでやろうとしていることには重なる部分がたくさんあります。春、明治の1、2年生主体のチームに0−104で負けて、この歴然とした埋めようのない差を感じながら、それでもどのステージまで行けるのかは、僕にとってもやったことのない挑戦です。だからこそ、おもしろいんです」
中垣メソッドを少しずつ染み込ませる選手たち。効果を実感する選手もいれば、半信半疑のままの選手もいた。対抗戦Bグループの2戦目、成城大に敗れた東大は、そのショックと向き合いながら、残り5試合へと挑んでいく。
著者プロフィール
石田雄太 (いしだゆうた)
1964年生まれ、愛知県出身。青山学院大卒業後、NHKに入局し、「サンデースポーツ」などのディレクターを努める。1992年にNHKを退職し独立。『Number』『web Sportiva』を中心とした執筆活動とともに、スポーツ番組の構成・演出も行なっている。『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社)『イチローイズム』(集英社)『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編 2013-2018』(文藝春秋)など著者多数。
フォトギャラリーを見る
3 / 3
























