ラグビー日本代表・福井翔大が初出場までの4年間を「後悔なし」と胸を張る理由 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【リーチや姫野に戦いを挑む】

 ただそれでも、福井はテストマッチに出場することが叶わなかった。

 ケガの影響で日本代表に選ばれない時期には、年下のLO(ロック)ワーナー・ディアンズ(ブレイブルーパス東京)、SO(スタンドオフ)李承信(神戸スティーラーズ)がキャップを重ねていった。彼らの姿を見て、福井は「悔しかったです!」と正直に吐露する。

 その悔しさを糧に、福井は自身のパフォーマンスに磨きをかけ続けた。その日々があったからこそ、今季リーグワン全18試合(うち12試合は先発)出場を果たし、ワールドカップイヤーに再び代表に返り咲くことができた。

 高校を卒業してすぐにトップリーグ(現リーグワン)に入り、初の日本代表戦まで4年かかった。しかし、その過程に一切の後悔はないと言う。

「大学がどうこうと言うつもりはないですし、(大学卒業してすぐに活躍する)長田智希(埼玉ワイルドナイツ/CTB)みたいな例もあるのでそれも正解だと思いますが、僕自身はこの道のりがなければここまで来られていないと思います。後悔はしていない。自分の道が間違っていないことを証明したい」

 国内での強化試合は、残り4戦──。間違いなく、次のチャンスもあるはずだ。

 リーチや姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ/No.8)だけでなく、現在合宿に参加していない代表候補選手のテビタ・タタフ(東京サンゴリアス/No.8)やピーター・ラブスカフニ(スピアーズ船橋・東京ベイ/FL)など、バックローには実績のある選手が多い。だが、そのメンバーに物怖じすることなく、23歳の福井は高いパフォーマンスを披露して名乗りを上げた。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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