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李承信「韓国籍だが、日本人でも韓国人でもない」 在日コリアンのためにもワールドカップは「出場しないといけない」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 説田浩之●撮影 photo by Setsuda Hiroyuki

── そして昨年6月、朝鮮高級学校の卒業生として初のラグビー日本代表選手になりました。

「すごく光栄なことです。朝高に育ててもらい、成長できたことで(日本代表に)選出してもらえた自分の姿に可能性を感じてもらえたらなと思います。これからも朝高のラガーマンや未来の子どもたちに、そういう姿を見せていきたい」

── 「在日コリアンのために活躍したい」という思いが大きいのですね。

「そうですね。自分は韓国籍ですが、日本人でもない、韓国人でもない。そういう在日コリアンの方々のために、という思いは強いです。

 こういうアイデンティティは朝高で育んでもらったので、それが(自分が頑張れる)1番大きい要因かもしれません。多くの在日コリアンの方々に応援してもらいますし、講演会もさせていただいているので、本当に励みになっています」

── 今年1月、帝京大が大学選手権で優勝しました。入学時に同期だったメンバーが中心のチームでしたが、その姿を見てどう思いましたか?

「本当にうれしかったです。でもその反面、すごくうらやましい気持ちもありましたね。ただ、小さい頃から知り合いの福西隼杜(京都産業大学出身/PR)が神戸のチームメイトになったり、リーグワンで対戦相手となる同期もいるので、来季も楽しみがいっぱいですね!」

── 日本代表にはいつから憧れていましたか?

「代表の試合は昔から見ていましたが、2015年のワールドカップで南アフリカ代表に勝利した時、すごい衝撃を受けたことを覚えています。でも、実際に(桜のジャージーに)憧れて『日本代表になりたい!』と強く思ったのは、2019年のワールドカップを見てからですね。その後、神戸に入ってラグビー選手として成長するにつれて、代表への思いは大きくなっていきました」

── 司令塔のポジション争いに勝利し、ワールドカップで桜のジャージーの10番を背負うためには何が必要だと感じていますか?

「まずはゲームコントロールのところで(ライバルを)上回らないといけないです。ディフェンス、フィジカル、スキルは時間をかけて成長できている部分もあるので、それをどんどんアピールしていきたいなと思っています」

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