「お前の勝ちでいいよ」亡き父親との約束を果たした高校時代...松田力也「平尾2世ではなく、一番と言われるようになりたい」 (5ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 その検査結果を踏まえて食事に気をつけるようになってからは、体調面もすごくよくなりました。以前と同じ体重でも体脂肪が減ったりしているので、それもパフォーマンスにつながっていると思います」

── あらためて、W杯という大会は松田選手にとってどういう位置づけですか?

「4年ごとの節目に、自分を表現できる舞台だと感じています。世間的にも一番注目される大会なので、自分にとって一番のピークを持っていきたいです。

 予選プールの対戦相手は強豪ばかりなので、簡単にベスト8に上がれるとは思っていません。しかし、2019年以降も日本代表は進化していますし、リーグワンが始まってレベルの高い外国籍選手も参戦しているので、その影響で若手の実力もどんどん伸びています」

── ラグビーファンは次のW杯で「ベスト4以上」を期待しています。

「2019年大会はラグビーのいいニュースで、日本中がすごく盛り上がりました。その後、コロナ禍もあって集客など伸び悩みましたが、W杯というチャンスにもう1回、結果を残したいと思っています。

 W杯ベスト8は大きな壁です。4年前、準々決勝で負けて(ベスト8に)満足している選手は誰もいなかった。もう、悔しい思いで終わりたくはない。難しい挑戦ですが、ベスト8以上に行ってもう一度、ラグビーを盛り上げたいです!」


【profile】
松田力也(まつだ・りきや)
1994年5月3日生まれ、京都府京都市出身。伏見工業高→帝京大を経て2017年に埼玉パナソニックワイルドナイツに加入。日本代表歴は2016年6月のカナダ戦で初キャップ獲得。2019年ラグビーW杯メンバー。ポジション=SOスタンドオフ、CTBセンター、FBフルバック。身長181cm、体重92kg。

プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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