「お前の勝ちでいいよ」亡き父親との約束を果たした高校時代...松田力也「平尾2世ではなく、一番と言われるようになりたい」 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

── 松田選手は「ミスター・ラグビー」こと故・平尾誠二さんと同じ中学・高校(伏見工業)出身で、学生時代は「平尾2世」とも呼ばれました。その時はどう思っていたのですか?

「平尾さんと面識はありましたが、平尾さんの現役時代のプレーは見たことがありません。ただ、誰から聞いても『本当にすごい選手』と言われるので、「平尾2世」と呼ばれるのはすごく光栄でした。

 ただ、誰かの「2世」ではなくて、自分が一番と言われるようになりたいなとも常に思っていました。(平尾氏が進学した)同志社大からも声をかけていただきましたが、教員免許を取りたいと思っていたので、帝京大(教育学部)への進学を選びました」

── 今年5月で29歳になります。選手として、今後のプランはどうですか?

「社会人になる時、どうせやるならプロとしてしっかり極めたいと思って契約しました。ただ、当時は『何歳までプレーを続ける』というイメージはなかったです。ですけど、年を重ねるにつれて『ラグビー選手で試合に出ることは幸せだな』と感じることが増えたので、ひとつの目標として『40歳』はいい目安、ターゲットになるかと思っています。

 2027年のW杯オーストラリア大会への出場もすごく考えています。年齢的には33歳で迎えるので、今よりもっとラグビーの質がよくなっているんじゃないかと思っています」

── 年齢を重ねることで、自身への向き合い方も変わりましたか?

「強い体を作るという点に関しては、年齢を言い訳にせず、どの選手よりもやっている自信はあります。練習前の準備もすごくやるようになりましたし、プロ1〜2年目と比べればふだんの生活やオフの過ごし方も変わりました。その積み重ねが今後にもつながってくるかと。

 また、食事に関しても気を遣うようになったので、遅延型アレルギーの検査も受けました。食べて急激にアレルギー反応を示すほどではありませんが、下痢になったりする食べ物は吸収できていない証拠のようです。僕は小麦系や豆類で体に合わないものがありましたね。

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