「お前の勝ちでいいよ」亡き父親との約束を果たした高校時代...松田力也「平尾2世ではなく、一番と言われるようになりたい」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

── 日本代表戦はスタンドから仲間たちを見つめていましたね。

「試合のグラウンドに立っている選手がすごくうらやましく思いました。初めての大きなケガでメンバーから外れて、一歩引いて見る立場になってしまったので。

 でも、外から日本代表を見ていると、選手個々は強豪と渡り合えているところがある一方、ひとつの判断を間違えば一気にトライされるなど、勉強になった点も多々ありました。ただ、試合で経験することは、何にも変えられない。やっぱり(試合で)経験したかったですね」

── 2月から日本代表選手たちは、合宿やオンラインミーティングを行なっています。W杯に向けてどんな課題が挙がっているのでしょうか?

「リーグ戦の試合を振り返ったりしています。もっとスキルを使わないといけないし、もっとアタッキングマインドを持たないといけないので、10番としてリードしないといけないですね。

 また、強豪と対戦する時はディフェンスがすごくキーポイントになる。10番は絶対に狙われるポジションなので、自分が入った時には狙われてもしっかり受け止め、ディフェンスでもインパクトを残せる準備をしないといけない」

── 10番として、より意識するようになったことはありますか?

「最近は『次に何が起きるか予測しろ』とコーチ陣にすごく言われているので、今まで以上に考えるようになりました。自分のなかでこういう順序で攻めたいけど、その場、その場で違うことが起こるので、それを予測してプレーしています。ケガでしばらくゲームから離れていたので、今は試合を積み重ねながらゲーム感を研ぎ澄ましている最中だと思います。

 10番は判断力とコミュニケーション力がすごく重要になってきます。日本代表には本当にいろんな選手が集まっているので、積極的にコミュニケーションを取っていかないといけない。自分自身がしっかり迷わず、たとえ間違った判断をしても、それを間違ってないように流れを作れるようにやりたい。自信を持ってプレーすることが大事です」

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