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円盤投げ、ママさん...。
多彩なサクラセブンズが金メダルに突っ走る (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 山口の幼なじみの鈴木彩香は「バックアップ選手」となった。ケガ人が出た場合の交替要員だから、まだ五輪のチャンスはゼロではない。ふたりは小学校3年のとき、タックルのないタグラグビーを始めた仲である。2009年、セブンズがリオ五輪の正式種目になってからは、一緒に五輪の舞台に立つことを目標としてきた。

 ふたりはそれぞれの青春を歩みながらも、絶えず、励まし合ってきた。どちらかが不調やケガをしたときは、もうひとりが声をかけるのだった。そうやって、ふたりは常に第一線でがんばってきた。

 会見後、廊下で幼なじみのことを聞けば、山口は「まだチャンスはある」と独り言のようにつぶやいた。

「(五輪メンバーは)ギリギリまでわからないところもあります。きっとアヤカは入ると思います。そう、信じています」

 五輪代表選手団は、浅見HCの言葉どおり、多彩である。22歳の中丸彩衣はまだ、ラグビーに転向して1年半。大学3年まではバスケットボールに没頭していた。持ち味は、フィットネス(体力)、走力である。

 中丸も会見では無数のカメラのフラッシュを浴びた。「こんなにフラッシュをたかれたことないので、もうびっくりしました」と顔をこわばらせた。

「1年前とか考えたら、自分でも信じられない。でも、経験が少ないことを理由にあきらめたくなかったので、人の倍以上の練習をしてきました。選ばれたからには、胸張って、自信を持ってプレーしたいと思います」

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