スーパーラグビー1年目。
課題山積のサンウルブズは何を手にしたか

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu   志賀由佳●写真 photo by Shiga Yuca

 これぞ、世界レベルの「経験」である。ラグビーの世界最高峰リーグ、スーパーラグビー(SR)に初参入した日本のサンウルブズは2日、東京・秩父宮ラグビー場で、ワラタス(オーストラリア)と国内最終戦に臨み、12-57で完敗した。

 きつい1年目だった。アウェー2試合を残しているが、ここまでで勝ったのは、たった1つ(4月23日、対ジャガーズ、36-28)で、通算1勝11敗1分け。日本代表対カナダ、日本対スコットランド2連戦をはさみ、4カ月余り、サンウルブズは多くのことを学んだ。

スーパーラグビー参戦で成長したひとり、スクラムハーフ茂野海人スーパーラグビー参戦で成長したひとり、スクラムハーフ茂野海人

 試合後、初めて選手の家族を交えての簡単な"慰労会"が開かれた。人徳あるマーク・ハメット・ヘッドコーチ(HC)は今季終了後、チームを離れる。日本ラグビーの礎を築くため、情熱を注ぎこんだ。

 ハメットHCは会見ではこう、言った。

「私たちは言い訳をしないチームです。天候がどうだったとか、ケガ人がどうだったとか、言い訳はしません。この(サンウルブズの)ジャージを着て、成長し続けるチームなのです。ただ、多くの人々の前でいい結果を出せなかったのが非常に残念です」

 ホーム最終戦は気温32度を超える炎天下で行なわれた。その蒸し暑さの中、実に「18147人」がスタンドに押し掛けた。

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