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バスケのようでバスケじゃない。
英国生まれのネットボールが面白い (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 試合を見ていると、バスケのように激しい肉弾戦はない。

 ネットボールにはいくつかの反則があるが、コンタクトとオブストラクションが主な2つ。ざっくり説明すると、コンタクトは相手に体をぶつける行為で、オブストラクションはボールを持っている選手の90cm以内に近づいて守備をしてはいけない。

 ルールを見てもわかるように、基本的に攻撃が優位になっている。たとえば、ゴールサークルでGSやGAにシュートを打たれると邪魔できない。最初見た時は「なんでブロックしないんだろう」と思っていたが、コンタクト禁止なのでシュートを打たれたら、ディフェンス側にとっては外れるように神頼みするしかない。ケガのリスクをできるだけ排除し、楽しくプレーすることを優先している。

 ユニフォームも独特だ。バスケはランニングタイプのウェアだが、ネットボールはワンピースが主流だ。この日、安部さんのユニフォームは日の丸の"赤"につばきをあしらたもので、デザインは自由なのだという。試合前はレフリーによる爪のチェックが入る。爪が伸びているとその場でカットしなければならない。危険防止のためだが、「それも独特です」と安部さんは笑う。

 安部さんは現在、日本ハムで営業を担当しながらプレーしている。

「もともとバスケをしていたんですけど、大学2年の時に理事長に誘われて始めました。社会人になって、練習は頻繁に参加できないですけど、各自が自分の役割を生かして勝負できるのがネットボールのよさです」

 大学を卒業してからもネットボールを続けているが、関西ではプレーできる体育館がなく、日常はジムに通い、会社の同期に頼んでパス練習をする程度。「体が動かなくなって......」と苦笑するが、そのせいもあって最近はGKが多い。

 試合の時は現地集合だが、移動はすべて自費。昨年、シンガポールで開催されたアジア選手権も、日本代表にもかかわらず旅費は自己負担だった。

「協会にお金がないので、遠征はすべて自費。それだと実力があっても来られない選手がいて、それが今の大きな課題ですね」

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