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ホーバスジャパン2期目に不安「こんなバスケをしていたらダメ」 ネクスト河村勇輝は育つのか (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【セットプレーの数が限定された理由】

 10月下旬、トム・ホーバスHC(ヘッドコーチ)の続投が発表された。

 同指揮官は就任から3年間で、体格に恵まれない日本が世界と伍して戦えるバスケットボールスタイルを浸透させた。2023年のFIBAワールドカップでは3勝を挙げてパリ五輪の出場権を獲得するなど、着実に日本を成長させてきた。

 ホーバスHCの続投が決まったことで、日本はここからさらなる積み上げをしていかねばならない。2027年のワールドカップや2028年のロサンゼルス五輪に出場し、パリ五輪では果たせなかった「ベスト8」という目標達成を目指すことになる。

 今回の予選ウインドウ2での2試合は、ホーバス体制「2期目」の初陣となったわけだ。しかし正直に言って、この2試合だけで今後のホーバスジャパンがどのように形作られていくのか、予想を立てるのは難しい。

「今までに比べたらセットプレーは多くない。今回初めて合宿に参加する選手もトムさんの今までやってきたバスケットをできている感覚はあるので、それをしっかりと試合で見せられたらいいなと思います」

 モンゴル戦前日の練習後の取材対応で、パリ五輪までホーバスジャパンのキャプテンを務めてきた富樫勇樹(千葉ジェッツ/PG)はそう語った。今回は若手を中心とした新たな面々が代表候補として招集されたため、まずは彼らにホーバスHCのバスケットボールの根幹を植えつける意図もあったはずだ。

 オフェンス時における5アウト(コートに立つ5人全員が3Pラインよりも外に位置取るところから始める攻撃)や、ボールと人を動かしながら得点機を作り出す早いテンポのスタイルは特殊で、入ってきたばかりの選手は習熟に時間がかかる。おそらくそのような事情もあって、あらかじめ決められた動きに従うセットプレーの数は限定されていたのだろう。

 ホーバスHCは選手たちに、より厳しい練習とフィジカルさ、勝つ信念を植えつけ、日本のスタンダードを高めた。築き上げてきたバスケットボールスタイルが変わることはなく、今後もその熟成に努めていくことになる。パリ五輪という区切りを経て、今回のウインドウでは次のワールドカップや五輪に向けて「プロジェクトの一歩目」を踏み出したとも言える。

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