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八村塁、レイカーズ移籍後はモチベーションが変化 レブロンとの特訓で身につけたものは? (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko

【苦しい時を乗り越えるからこそ楽しさが湧いてくる】

 ふだんの八村は、そういった悔しさは自分の中に押し込み、メディアにはあまり露呈させない。だが、1月17日にウェスタン・カンファレンス2位のオクラホマシティ・サンダー戦で控えから出場し、12得点を奪ってチームの勝利に貢献したあとに、「(自分が)チームのXファクターになるということでやっているのに、ケガとかで出られない時があって、そういう時にチームが苦しんでいるのを見て、僕も悔しかった」と正直な思いをのぞかせた。

 八村が「チームが苦しんでいた」と言ったように、レイカーズはインシーズン・トーナメント優勝直後に低迷し、1月23日時点で22勝23敗、順位もウェスタン・カンファレンス9位まで落としている。優勝という高い目標を掲げているだけに、結果が伴わなければ悔しい思いもするし、チームとしても個々の選手としても厳しい批判にもさらされる。

 そういえば、昨シーズン後に八村はこんなことも言っていた。

「苦しい時を乗り越えるからこそ、終わって振り返った時に楽しかったなと思うんじゃないかなと思います。高校の時、ずっと楽しかったわけじゃない。苦しいことを乗り越えて優勝するとか達成することで、楽しさっていうのが湧いてくるのだと思う」

 果たして、シーズン後半戦でレイカーズに入ってからの濃い1年間の成果を出せるだろうか。あとから振り返って、「あの苦しい時を乗り越えたから、今のこの喜びがある」と思えるだろうか。苦しくも、充実した日々が続く。

著者プロフィール

  • 宮地陽子

    宮地陽子 (みやじ・ようこ)

    スポーツライター。東京都出身。アメリカを拠点にNBA取材歴30年余。アメリカで活動する日本人選手やバスケットボール国際大会も取材。著書に『The Man〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)、2023年1月発売の共著に『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』(集英社)。

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