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井上雄彦×渡邊雄太スペシャル対談01「やっと自分がNBA選手になれた気がしました」 (5ページ目)

  • 伊藤 亮●取材・文 text by Ito Ryo
  • 細野晋司●撮影 photo by Hosono Shinji

井上 そうなんだ。むしろ手袋をしていたほうがしっくりくるみたいな。

渡邊 そうですね。

井上 でも、高校時代からあとの成長もすごい。いろんな面でずーっと成長している。身体も、おそらく内面もそうなんだろうけど、成長が止まらない。

「努力する」と言うのは簡単だけど、やっぱりできないですよ。努力し続けることができる、その点に特別さがある気がする。サボることもあるでしょう? 「今日はやりたくねえな」という日もあるじゃない。

渡邊 そういう時も、もちろんあります。それこそ、部屋を出るまでは自分のなかで「ああ、今日は練習、行きたくないな」という日もあるんですけど、体育館にひとたび入ってしまうとけっこうスイッチが入るといいますか、やれてしまいますね。

井上 体育館に入らないということはない?

渡邊 意図的に入らない日は作っています。休みの時とか。

井上 「今日はやらないぞ」とはっきり割りきる。

渡邊 はい。ただ、練習があるのに体育館に入らない、ということは絶対にないです。

井上 たしかに体育館に入ったらやるよね。俺も描き始めたら描くもの。あ、これはジョークだから(笑)。

   ※   ※   ※   ※   ※

 それぞれの分野のトップオブトップで日々研鑽を積んでいる者同士だから通じる言葉、空気がある。渡邊選手から「すごく力をもらった」という井上氏。スペシャル対談02(中編)では、逆に井上氏から「幸せな時間」をもらったという渡邊選手の"あの"お話が明らかに!

(つづく。02=8月1日配信予定)

◆井上雄彦×渡邊雄太・02>>コミックス31巻と渡邊少年の『SLAM DUNK』秘話


【profile】
井上雄彦(いのうえ・たけひこ)
1967年1月12日生まれ、鹿児島県伊佐市(旧・大口市)出身。1990年に週刊少年ジャンプにて『SLAM DUNK』、1998年にモーニングにて『バガボンド』、1999年に週刊ヤングジャンプにて『リアル』の連載を開始。2006年に「スラムダンク奨学金」を設立。2022年に監督・脚本を務めた『THE FIRST SLAM DUNK』が公開される。

渡邊雄太(わたなべ・ゆうた)
1994年10月13日生まれ、香川県木田郡出身。尽誠学園を2年連続でウインターカップ準優勝に導いたのち、アメリカ留学を決意。プレップスクールを経由して2014年9月にジョージ・ワシントン大に進学。大学卒業後、サマーリーグで結果を残してメンフィス・グリズリーズとツーウェイ契約を結び、2018年10月に日本人ふたり目のNBA選手となる。その後、トロント・ラプターズやブルックルン・ネッツでプレーし、2023年7月にフェニックス・サンズと契約。ポジション=スモールフォワード。身長206cm、体重98kg。

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