八村塁は大丈夫か、トム・ホーバスHCに聞いた。「まもなく復帰するでしょう。心配してないですよ」 (5ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

【富永啓生は面白い選手】

 言い訳をするつもりはありませんが、我々には準備期間がありません。PG、SG、SF陣に関しては、この速いペースのシステムのなかでより効果的にプレーする感覚を得なければなりません。帰化するビッグマンの選択肢も、現状では多くありません。そして守備面では、ボール保持者に対するディフェンスと相手のペネトレーションを妨げる必要があります」

---- Window1が終わったら八村選手や渡邊選手らと面会のために渡米する、という話を合宿中にされていましたが。

「そのふたり以外にも、GリーグでプレーするSF馬場雄大(テキサス・レジェンズ)やネブラスカ大のSG富永啓生にも会いたいと思っていました。ところが、オミクロン株というコロナの新しい株が広まり始めたので、ちょっとどうなるかわからないですね」

---- 八村選手はNBA開幕から1試合も出場をしていないですし、渡邊選手も故障でずっと出ていませんでした。日本男子代表の主力ふたりがこうした状況だと心配はないですか?

「塁はまもなく復帰するでしょうし、雄太もようやく復帰しましたから、そんなに心配してないですよ。馬場についてもチーム合流が楽しみです。おそらくSGかSFでプレーすることになります」

---- 馬場選手が「ホ--バスHCのシステムは自分に合うと思う」と言っていました。

「それはうれしい言葉ですね。私たちもウィングのポジションで彼のようにタフでフィジカルにプレーできる選手は必要となってきます。彼はコート上での感情も豊かで、あのスピードがあればこのシステムでは非常に効果的な働きができると思っています。

 富永も面白い選手で、特別な才能のあるシューターです。若いですし。彼のハイライト映像はよく見ています。我々はコートを広く使ったプレーをしたいのですが、彼の能力があればそれができるようになります。

 先ほども言ったように、今は私のシステムに合うパズルのピースを探している段階です。日本にとってアメリカでプレーする選手が何人もいるのは、すばらしいことです」

【profile】
トム・ホーバス
1967年1月31日生まれ、コロラド州デュランゴ出身。ペンシルベニア州立大学を卒業後、ポルトガルリーグを経てトヨタ自動車ペイサーズ(現・アルバルク東京)に入団。4年連続日本リーグ得点王に輝く。1994年にはNBAアトランタ・ホークスでプレー。2001年に現役引退後、指導者となって2010年に再び来日。女子バスケットの世界で実績を積んで2017年に女子日本代表HCに就任。2020年東京五輪で銀メダル獲得に貢献し、2021年9月より男子日本代表HCを務める。現役時代のポジションはSF。

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