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NBAで真のNo.1選手は? 投票に不満の
レブロンが大爆発でファイナルへ (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

「投票結果には憤っているよ。全部で101票あるMVPの1位票のうち、16票しか俺に入っていなかったからだ。受賞者(アデトクンボ)がMVPに値しないと言っているわけではない。だが、俺は不満に思っている」

 今年12月に36歳になるレブロンだが、今季も67試合に出場し、平均25.3得点(FG49.8%、3P 34.9%、FT 69.7%)、7.8リバウンド、10.2アシストをマーク。チームをウェスタン・カンファレンスのトップシードに導き、プレーオフでもすばらしい働きを続けているのは前述の通り。今年1月、コービー・ブライアントの事故死という悲劇に見舞われたレイカーズを、通算17度目の優勝にあと1歩のところまでけん引してきたことは高く評価されるべきだ。

 ただ、MVPはあくまでレギュラーシーズンのアウォード(賞)であり、プレーオフでのプレーは無関係。中断もあった2019-20シーズンに、アデトクンボ以上にハイレベルな数字を残した選手はいなかった。

 今季のアデトクンボは63戦で平均29.5得点(FG54.7%、3P 30.6%、FT 63.3%)、13.6リバウンド、5.6アシストを残し、バックスをリーグ最高勝率に導いた。ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ジ・イヤーも初受賞し、リーグ最高の2ウェイプレーヤーとみなされるようにもなった。

「最高勝率チームのベストプレーヤー」であるアデトクンボは、十分にMVPに値する。個人、チーム成績の両方でレブロンを上回っているのだから、あくまでレギュラーシーズン中と限定すれば、1位アデトクンボ、2位レブロンというMVP投票は妥当だっただろう。

 この件に関して、レブロンが実際にどんな思いを抱いていたかは定かではない。2009、10、12、13年に4度のMVPに輝いたレブロンだが、"リーグの看板"として君臨し続けながらも、それ以降はMVPに縁がなかった。「そんな結果は適切ではない」と、メディア、ファンにメッセージを送ろうとしたのかもしれない。

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