バスケ界で最注目の河村勇輝。
大学進学は「100%間違っていなかった」

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 2020年は、コートを疾風のごとく走る172cmに釘付けになった1年だった。河村勇輝、19歳。昨冬は高校バスケ日本一を決めるウインターカップで福岡第一高校を2連覇に導き、Bリーグの特別指定選手として三遠ネオフェニックスに入団。プロ選手顔負けのプレーで旋風を巻き起こし、新人賞ベスト5を受賞した。東海大入学後は10月からのオータムカップで主力の一人として存在感を示し、11月末にはバスケ選手として、大学生初となる企業とのマネジメント契約したことを発表した。

 三遠での活躍を受け、「プロに進んだほうがいいのでは」との声が多く上がる中、進学。彼は大学で何を学び、どこに突き進もうとしているのか。大学日本一を目指すインカレ直前。バスケ界に新しい風を吹き込んでいる河村勇輝に、これまでの歩みと、将来の夢を聞いた。

初めて出場のオータムカップでも活躍した河村勇輝初めて出場のオータムカップでも活躍した河村勇輝――先日、楽天とのマネジメント契約を発表しました。どのような意図で契約し、これからどのような活動をしていくのでしょうか?

 楽天からお話をいただいたのが今年の春先で、そこから半年かけていろんなことを話し合っていく中で、楽天のバスケットボールへの取り組みに賛同して決めました。楽天という海外と関連がある大きな企業と契約したことで、自分とバスケットボールの価値を高めていければと思っています。いちばんの決め手となったのはNBAへの挑戦を支援してくださることです。今はまだNBAへの明確な目標というものはないのですが、これから自分の夢である日本代表に食い込んでいって、NBAや海外への挑戦を見据えるようになったときには橋渡しの役をしてくださるので、そうした支援が心強いと思って決めました。

――将来、NBAや海外挑戦を視野に入れているのですか?

 まだ明確な目標ではないのですが......。今は日本代表に入ることを目標にしていますし、何より学生として東海大で頑張りたいです。

――福岡第一と三遠では河村選手がメインガードとして走るスタイルでしたが、東海大はハーフコートをしっかり攻めるスタイル。これまでやってきたバスケとチームカラーは異なりますが、対応できている手応えはありますか?

 自分的にはアジャストできていると思っています。三遠ではメンバーの構成上、ファーストオプションとして任せてもらっていたので、僕が得点を取ったり、アシストしたり、スタッツを残すことができました。東海大はハーフコートに重きを置いたスタイルで今までとは違うし、点を取る選手がたくさんいるので、自分がバックアップでどれだけ貢献できるか、流れを変えられるかということを重要視しています。高校、プロ、大学とプレースタイルが変わることはわかっていたので、それぞれに対応できていると思います。

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