2020.08.25

八村塁、プロ1年目の危機感。
「3Pを打てないとNBAに残れない」

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

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 昨年10月の開幕から約10カ月が経ち、8月13日に八村塁の長いルーキーシーズンが終わりを迎えた。コロナ禍で3月半ばから7月末までシーズン中断となったことによる、変則的なシーズンだった。

長かったルーキーイヤーを終えた八村塁 中断したままシーズン終了となる可能性もあった。だが、フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドの敷地に感染対策を取った"バブル(隔離エリア)"を作ることで再開にこぎつけ、八村が所属するワシントン・ウィザーズも参加。そこでプレーオフのシード順を決めるシーディングゲーム8試合を戦った。

 残念ながらプレーオフ進出を逃したため、そこでシーズン終了となったが、この7試合(八村は最終戦を故障で欠場)のシーディングゲームは、八村にとって貴重な経験となった。

 シーズン再開後のウィザーズは、故障でシーズン全休していたジョン・ウォールに加え、今季エースとして活躍していたブラッドリー・ビール、そして3Pシューターのダービス・ベルターンスが参加しなかったため、八村をはじめとする若手主体のチームでの参戦となった。

 ほかのチームはプレーオフ出場を決めたか、本気でプレーオフを狙うチームばかりのなか、ウィザーズも表向きには「プレーオフの座を獲得する」という目的を掲げていた。だが、チーム首脳陣としては若手に経験を積ませ、何ができて、何ができないかを判断するのが最大の目的だった。

 そのなかで八村は、ウィザーズHC(ヘッドコーチ)のスコット・ブルックスから「塁が攻撃の一番手だ」と指名を受けた。中断前のシーズンではビール、ベルターンズに次ぐ3番目の得点源となる活躍をしており、ブルックスHCから新人らしからぬ落ち着いたプレーを評価されていたのだ。

 しかし、それはビールというダブルチームを引き寄せるエースがいる中でのこと。フロリダでのシーディングゲームは、八村にとって新しいチャレンジとなった。