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世界の舞台で戦ったスラムダンク奨学生、
鍵冨太雅が描くNCAA挑戦 (5ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by FIBA basketball

 しかしその一方で、アメリカに行けば一足飛びに名門校に行ける、というような夢は抱いていない。U19のチームメイトにはゴンザガ大で2年目を迎える八村塁や、この秋からウォークオン(奨学金なし)でジョージア工科大に進むシェーファー・アヴィ幸樹がいるが、彼らのような強豪校への進学は厳しいと冷静に語る。目指しているところは、意外なほど現実的だ。

「塁のゴンザガとか、アヴィのジョージアテックのようなハイメジャースクール(強豪校・名門校)は、自分には厳しいと思っています。ミッドメジャー、ローメジャーでもいいから、勉強のレベルが高く、なおかつバスケもがんばっているみたいな、たとえばアイビー(・リーグ)の学校などで勉強もがんばりつつ、バスケではローテーションに入って子どものころからの目標であるNCAAトーナメント出場を目指したいと思っています」

 今、鍵冨が直面している課題はふたつ。ひとつは、身長192cmという彼のサイズを考えると、アメリカでは日本でやっていたパワーフォワードのポジションのままでは通用しないこと。またこの先、アンダー世代ではない国際大会で世界を相手にすることも難しくなる。そのため、スモールフォワード、そしてシューティングガードへとポジションアップしていかなくてはいけない。

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