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世界の舞台で戦ったスラムダンク奨学生、
鍵冨太雅が描くNCAA挑戦 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by FIBA basketball

 U19ワールドカップでの鍵冨の出場時間は、平均8.8分と決して多くはなかった。だがそれでも、与えられた自分の役割を理解し、限られた役割のなかでチームにどう貢献できるのかを考えて実行するように努めた。

「(U16代表やU18代表のころから)選手が入れ替わるなかでも、ずっとチームにいる。だから、自分のプレータイムよりもチームが勝つことを第一に考え、ベンチから声を出したりしていました。試合に出たときも、ただガムシャラにがんばるだけではなくて、起用された場面でコート上での役割を理解し、ちゃんとチームコンセプト通りにしっかりとやるようにしていました」

 日本はグループラウンドでマリに勝利し、最低限の目標だった1勝をあげ、決勝トーナメント1回戦でイタリアと対戦。その試合は終了間際まで接戦となり、あわや大金星というところまで追いつめたが、残り2秒で相手にシュートを決められて惜敗した。

 ただ、負けたとはいえ、その後に大会準優勝を果たした世界の強豪相手に互角に戦うことができる、という手ごたえを感じた。しかも、イタリアに敗れたあとには順位決定戦で韓国とエジプトに勝ち、10位という男子日本代表にとって歴代最高成績で大会を終えている。

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