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快進撃ウォリアーズを率いる「35歳アシスタントコーチ」の正体 (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

 アリゾナ大でウォルトンの後輩だったアンドレ・イグダーラ(ウォリアーズ/SG)も、大学時代はウォルトンに憧れ、彼のようになりたいと思っていたという。今年の夏、イグダーラにインタビューしたときにそのことを聞くと、彼は冗談まじりで、「ルークのようになりたいとは思ったことないなぁ。だって、彼はノロイし、ジャンプできないしね」と笑った。その後、真面目な表情に切り替えたイグダーラはこう続けた。

「ルークはとても素晴らしいチームメイトで、大学時代、僕に多くのことを教えてくれた。彼自身が気づいていないぐらい大きな影響を、僕に与えたんだ。バスケットボールを単に身体だけでなく、頭を使ってプレーすることを教えてくれた。彼のおかげで、僕の現役年数は伸びたと思っている」

 ウォルトン自身、ことによると持病の腰痛がなければ、35歳の今もまだ現役を続けることができていたかもしれない。ただ一方で、腰痛があったからこそ、「引退後にコーチの道に進みたい」と考えるキッカケにもなった。

 レイカーズがNBA2連覇を達成した、2009−10シーズンのこと。ウォルトンは坐骨神経痛に悩まされ、試合を欠場していた。いつ治るかの目処もつかず、「引退も間近ではないか」と言われていたほどだった。そんなとき、故障で落ち込んだ彼を元気づけ、チームのなかで疎外感を感じないようにと、フィル・ジャクソンがコーチのミーティングに招待してくれたのだった。

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