2015.11.19

快進撃ウォリアーズを率いる「35歳アシスタントコーチ」の正体

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

 開幕から無傷の12連勝と快進撃を見せている、昨季NBA王者のゴールデンステート・ウォリアーズ。多くのライバルチームがウォリアーズに対抗するために補強狙いで戦力を入れ替え、今はまだ試運転状態でプレーしているのに対し、彼らはまるで昨季のNBAファイナルの続編をしているかのようだ。優勝の疲れも、モチベーションの低下も感じさせず、他のチームよりひとつ上のレベルで戦っている。

昨季王者のウォリアーズを率いる35歳のルーク・ウォルトン もっともウォリアーズも、昨季からまったく変化がないわけではない。選手ロスターは出番の減っていたデビッド・リー(ボストン・セルティックス/PF)が抜けたぐらいで、主力の入れ替えはほとんどなかったものの、コーチ陣は昨季のトップふたりが不在なのだ。

 オフシーズン期間中に2度の腰の手術を受けたスティーブ・カー・ヘッドコーチは、術後の体調不良で開幕前から療養中。昨季ならば、カーの休養中はアソシエイトヘッドコーチのアルヴィン・ジェントリーが指揮をとるところだ。だが今オフ、ジェントリーはニューオーリンズ・ペリカンズのヘッドコーチに就任し、チームを離れてしまった。そのため現在、暫定のヘッドコーチとしてチームを率いているのは弱冠35歳、NBAコーチになってわずか2年目のアシスタントコーチ、ルーク・ウォルトンだ。

 開幕前にウォリアーズのベテラン・アシスタントコーチ、ロン・アダムスにウォルトンについて聞いたところ、「やることが多くて、手一杯という感じだね」とのコメントだった。しかし、実際にシーズンが始まってみると、なかなかどうして、落ち着いた采配ぶりを見せている。ほとんどの試合が大差での勝利ということを差し引いて考えても、初めての経験とは思えないほど順風なヘッドコーチ・デビューだ。