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【NBA】ローズ離脱の大ショック。ブルズの光は消えたのか? (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by AFLO

 そんな矢先の、今回の半月板損傷――。再び、数ヵ月にわたる長いリハビリ生活を送ることになったローズのことを思い、チームメイトたちの心も沈んだ。

「こんな形でデリックが欠場することになったのは残念だ。このチームでデリックの存在は大きい。彼がコートに立つために、どれだけ一生懸命リハビリをしていたかも知っている」と、チームメイトのジョアキム・ノアは悔しがった。

 ローズが手術のために遠征地のロサンゼルスからシカゴに戻る前、チームメイトたちはホテルで彼に励ましの声をかけたという。ノアは、「彼はすごく残念がっていた」と、その時のローズの様子を語った。もっとも、そう話すノアの声は消え入るように小さく、聞き取るのに苦労したほどだ。残念で、悔しいのは、ローズ本人だけではないのだ。

 開幕からローズが復帰し、試合ごとにかつての調子を取り戻してきた矢先の故障。それは、ローズだけでなく、チーム全体の士気をくじいていた。

「この夏は、みんなでよく連絡を取り合い、お互いに、どれだけ優勝したい気持ちが強いかを話し合っていたんだ」と、ルオル・デンは言う。

 現実的に考えて、ローズ抜きの今のブルズが優勝を狙うのは厳しい。そのことも選手たちに重くのしかかり、立ち直るのに時間がかかった。ローズの故障後、最初の試合となったロサンゼルス・クリッパーズ戦では、39点の大差をつけられて惨敗。その2日後には、それまで1勝しかしていなかったユタ・ジャズ相手に、オーバータイムの末に敗れた。

「僕らも人間だ」と、ノアは言った。

 それは、人前で滅多に弱音を吐かないNBA選手たちの、ぎりぎりの本音の言葉だった。

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